LEDと蛍光灯の電気代ってそんなに違うの?特徴や違いを紹介します

環境省からのお知らせをご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、2020年12月31日に「水銀に関する水俣条約」に基づいて、水銀使用製品の規制が本格導入されます。
そのため、今後は水銀が使われている「蛍光灯」などの製品は、水銀不使用製品への切り換えを検討いただきたいと思っています。
そこで今回は、従来の水銀が使用されている蛍光灯を交換するとき、第一候補になるLED蛍光灯のメリットやデメリット、気になる電気代などについてご紹介していきたいと思います。
1: 知っておきたいLEDと従来の蛍光灯の違い
まだまだ浸透していないかもしれませんが、ホームセンターや大型の電気店へ行くと、レジの近くや蛍光灯やランプのコーナーに「水銀使用製品の切り換えをご検討ください!」とポスターが貼ってあるところも出てきています。
この規制は、水銀が環境中に排出されると、川や海の水に流れ込み、魚などに影響が及んだ結果、自然界を巡って人体に悪影響を与えることもあるという事実から行われています。
未来の地球環境を考えると、私たちが率先して水銀不使用製品へ切り換えていかなくてはなりません。
(1)従来の蛍光灯
現在、日常的に使用されることの多い従来の蛍光灯には、水銀が微量ですが使用されています。そのため廃棄方法を間違えると自然界に影響を与えてしまうこともあります。
また、蛍光灯はLEDと比較すると寿命が短いため、交換サイクルが増えてしまい手間が増えるということもあります。
さらに、寿命が近づいてきた蛍光灯は、ちらつきや黒ずむことで明るさが減少し、知らず知らずの間に目に良くない影響を与えていることもあります。
そして、これはあまり気にされていない方も多いのですが、従来の蛍光灯からは紫外線が発生しているため、壁や天井に焼けた跡が残ってしまいやすいです。
戸建て住宅にお住まいのご家庭なら気にならないかもしれませんが、お店や賃貸物件にお住まいの方は気になる部分だと思います。
(2)今後の主役「LED」
従来の蛍光灯から水銀不使用製品へ切り替えを考えると選択できるのは「LED」となります。
LEDは従来の蛍光灯と比較すると寿命が長く、小電力で点灯する特性があります。
また、発光するときに熱を持ちにくい特性や、光の調整もしやすいため、家庭内だけではなく、分譲マンションのエントランスや美術館、博物館、水族館でも利用されることが多いです。
そして、普段気にしていないかもしれませんが、信号や高速道路などの交通表示板。最近では店舗の屋外ディスプレイにも使われています。
2: LEDに交換した場合のメリットとデメリット
従来の蛍光灯をLED蛍光灯へ交換した場合のメリットとデメリットを見ておきましょう。
(1)メリット
[1]寿命が長い
先ほども少しふれましたが、従来の蛍光灯よりもLED蛍光灯の方が寿命が長い傾向にあります。
あくまでも目安の話ですが(使用環境によって変化しますので)、
- 従来の蛍光灯の寿命:約6,000時間~12,000時間
- LED蛍光灯の寿命:約40,000時間
出典:特定非営利活動法人 LED照明推進協議会より
もちろん単純に比較はできません。使用される状況や製品の品質にも影響を受けます。ただ、このような報告結果を見てみると、約2~3倍長持ちすることはわかります。
[2]電気代の低下を見込める
従来の蛍光灯とLED蛍光灯を比較するとき、気になるのが電気代です。
電気代も一概に「LED化するとやすくなりますよ!」とは言えません。というのも、使い方にも影響されますし長期間の使用でコストを考えないといけない面もあるからです。
「特定非営利活動法人 LED照明推進協議会」より報告されている情報を見てみると、住宅用照明の電気代を比較した場合、次のような内容になっています。
<住宅用照明の省エネ比較>
年間2000時間を10年間、27円/kwh
従来の蛍光灯を10年間使用した電気代:29,160円
LEDの蛍光灯を10年間使用した電気代:2,920円
出典:特定非営利活動法人 LED照明推進協議会より
1年や2年では、あまりお得感は出ないかもしれませんが、10年サイクルで考えると電気代が低下する可能性が高いのも事実です。
[3]発熱が少ない
従来の蛍光灯は明かりを点灯していると、発熱するため暖かくなりました。寒い季節ならまだしも、最近の酷暑の時期では困ったものです。
でも、LED蛍光灯なら発熱が大変少ないため、天井や壁際に暖かい空気がたまりにくくなります。この現象はエアコンの効きにも影響します。ということはエアコンの電気代節約にも役立つ可能性が高いのです。
[4]紫外線が発生しない
紫外線が発生しないため、壁や天井が焼けることもありません。また、紫外線に集まってくる虫も少なくなるため、虫が苦手な方にもうれしい効果です。
こういったメリットがLED蛍光灯にはあります。個人の住宅でもメリットを感じることができますし、店舗でもメリットを感じることができるでしょう。
特に紫外線による影響や、交換サイクルの低下は、お店の経営者に喜ばれるメリットだと思います。
(2)デメリット
[1]単価が高い
従来の蛍光灯と比較すると、LED蛍光灯は高くなります。
最近は、びっくりするような低価格のLED蛍光灯を通信販売で見かけることがありますが、LED蛍光灯を開発製造している私たちからすると、
「価格=品質」
という部分も多分にありますので、安すぎるものは注意していただきたいと感じています。
[2]光の進み具合が違う
蛍光灯は光を放射状に出しています。そのため、壁の端まで光が届いていたと思います。
いっぽう、LEDはというと、光が直線的に進みます(ピンポイント)。そのため、光が届いてない部分が暗く感じることもあります。
[3]重量が重い
従来の蛍光灯と比較するとLED蛍光灯は重量があります。天井に取り付けるときには、重量に耐えられるか注意してください。
[4]工事が必要
従来の蛍光灯を使っていた場合、安定器と呼ばれる機械を工事しないとLED蛍光灯が使えません。
こういった場合、ご自身で工事することはできません。電気工事の資格を持った人が工事を行います。
もし、工事が面倒な場合。賃貸で工事できない場合は、弊社で開発製造している「SIMPLE TUBE」をご検討ください。このLED蛍光灯は、工事不要で取り付けできるようになっています(一部、取り付けできないものもありますので御相談ください)。→詳しくは「SIMPLE TUBE」のページへ
3: おすすめできない(店舗で多い)使い方とは
ガレージや店舗など蛍光灯を複数設置している場所で、従来の蛍光灯が切れたとき、切れた蛍光灯だけをLEDにするのは得策ではありません。
混在した使い方は事故に繋がる恐れもあります。また、故障が起こらなくても消費電力の違いによってLEDに負担が掛かり寿命も短くなる可能性があります。
蛍光灯を複数設置されている場合に交換するときは、思い切ってまとめてLEDへ交換するのがおすすめです。
4: まとめ
総じてLEDは従来の蛍光灯よりも消費電力が低いため、長期的に利用することでコストダウンを見込めます。
今後の流れを考えると、蛍光灯の交換タイミングがやってきたら、順番にLED化しておくのが安心だと言えます。